最近のUbuntuではデフォルトでインストールされるFirefox(やChromium)はSnap版です。Snap版のFirefox(やChromium)でYubiKey(スマートカード)を使おうとする際に少し手間取ったので、備忘録として記事を作成します。
手順としては公式サイトに記載されている情報を参考にすれば良いです。公式サイトの手順には画像が無い(2025/10時点)ので、この記事では画像を使いつつ紹介します。
使用した環境
Ubuntu 24.04.3 LTS
「既定の選択」を指定してインストールした状態で始めます。
Firefoxの場合の手順
必要なパッケージのインストール
sudo apt install opensc-pkcs11 pcscd
pcscdの権限を有効化
画面左下のアイコン(「アプリを表示」)をクリックする。
設定 > アプリ > Firefox の順に選択する。
権限の欄のpcscdという項目が無効になっているので、切り替えて有効にする。(有効にする際、パスワードを求められるので入力する。)
モジュールの設定
Firefoxを起動して、右上のハンバーガーメニュー(三のようなアイコン) > 設定 > プライバシーとセキュリティ > セキュリティデバイス の順に選択する。
追加を押して、ファイルパスとして/usr/lib/x86_64-linux-gnu/opensc-pkcs11.so
を指定してOKを押す。
Chromiumの場合の手順
必要なパッケージのインストール
Firefoxは最初からインストールされているが、ChromiumはインストールされていないのでChromium自体もインストールする。
sudo apt install opensc-pkcs11 pcscd libnss3-tools chromium-browser
pcscdの権限を有効化
手順としてはFirefoxと同様で、Chromiumの権限の欄のpcscdの項目を有効に切り替える。
モジュールの設定
以下のコマンドを実行して、ChromiumのNSSデータベースにOpenSCのPKCS#11モジュールを登録する。
modutil -dbdir sql:"$HOME/snap/chromium/current/.pki/nssdb/" -add "OpenSC" -libfile /usr/lib/x86_64-linux-gnu/opensc-pkcs11.so
おわりに
本記事ではUbuntu上のSnap版Firefox/ChromiumでYubiKey(スマートカード)を使う手順をまとめました。同じように困った方の参考になれば幸いです。